素人以上玄人未満

いい感じや・・・

ベランダに出て
三日月の様子を眺めながら
麦酒を呑んでホロ酔い

三日月は
ずっと眺めていると
（花王のマークのようなその形通り）の感覚と
（まん丸の球体が斜め下から陽光に照らされている）感覚が
交互に行き来します

私は
俄然後者の感覚が好きです

はからずも球体の全貌を見せない三日月は
妖艶です

そして
西の空に沈み行くその姿は
妖艶にふさわしくオレンジがかり
時に
たなびく雲に覆われたりしながら
色めきだった笑いを放ちつつも
今日の夜を去り
且つ
決して死なない生命体の印象を
私に与えるのです

そんな月を眺めながら
自分の身辺について
何かを考えようとしても
何も浮かんできません

ただただ
その天体の前で
素直に驚愕している自分がいて
それでいながら
決してその事が不快では無く
おそらく
日常のどの場面よりも
素直な心で
そして
ドキドキしながら
過ごしているのです

「太陽のせい」
と言って人を殺しちゃう小説があるように
「三日月のせい」
と言ってもう一杯呑んでしまう

そんな夜があるから
人生は楽しい

だからみんな
死ぬなよ！