XTC

L-00

2008年11月01日 23:33


こんなに好きになるなんて、昔は全然想わなかった


こんばんわ

先日バスに乗ってたら
ふと
(ハロウィン)と(ヘロイン)て似てる!
ってコトに気づきました

全然関係の無い二つの言葉が似てるっておっかしー!

とか何とか思いながら
真顔のまんま心の中でほくそ笑んでいると
今度は突然脳裏に

(法悦)

と云う言葉が
黒地を背景に
縦書きの白抜き文字で浮かんで来ました

(参考)
 ほう‐えつ(ホフ‐)【法悦】
  1 仏の教えを聞き、それを信じることによって心にわく喜び。法喜。
  2 うっとりとするような喜び。エクスタシー。「―にひたる」
                                    Yahoo辞書より


しかもその(法悦)は
ゆっくりとコチラに近寄って来る感じです
(脳裏のコチラってどっちら?)

私は心の中でひとりごちます

(ほうえつ…ほうえつ…)

しかしながら(法悦)が
私の脳裏に突然浮かび来る根拠は何処にも見当たらず
そのうちバスは目的地に到着し
私は日常のたんたんの中に
(法悦)のコトを埋没させてしまってました

と或る日
近所の勝ち組そば屋に赴きました
一人で入店なので
カウンターに座り注文をしました

私の隣にはご老体がこれまたお一人で着座し
すでにそばをすすっておられました

しばらくすると
私の前にも注文のそばが置かれました

私はよくそばを携帯で撮影して
そば仲間に自慢を兼ねてその画像を送信するのですが
この日も撮影をしていた所
その所業がご老体には奇異に映ったらしく
無言ではありますが
私の行為を不思議そうに見つめていらっしゃいました

しかし
ひとしきりするともう関心が失せられたのか
再び視線を自身のそばに向けられ
丼を持ってお口に近づけ
傾けながら汁をすすり始められました

そしてゆっくりとした動きで丼を置かれると
十段階のボリューム4くらいの大きさで



「あ゛ぁ~」



と声を漏らされたのです

文字にすると伝えにくいのですが
その声はまさに温かな汁が
五臓六腑に染み入った時に
思わず漏れる声でした

若者であれば周囲を気にして
発達した喉の筋肉(以下喉筋)を利用し
締めコロスこの声ですが
喉筋の衰えられたご老体には
もはやその技を駆使されるコトが出来ず
しかし却ってそれが
温かな滋養が体内を癒す様を
如実に表現した結果となっていたのです

途端に私の脳裏にフラッシュバックが起こりました

(・・・・・・・法悦?)

そうだ!
このご老体の発した声こそが
(法悦)そのものではないか!

してみると
先日突然脳裏に浮かんだこの言葉は
この日私に(法悦)と云う境地を悟らせるべくの
プレインフォメーションだったのではなかろうか?
(何の為?って云うなよ!)

その後もそんな私の興奮には関係なく
ご老体は汁をすすっては

「あ゛ぁ~」

と呻きます
その度に私は

(あ!法悦)

またまた

「あ゛ぁ~」   (あ!法悦)
「あ゛ぁ~」   (あ!法悦)

が繰り返されます

そして
しばらくしてあと
ご老体は満足されたのでしょう
食膳に丼を置かれ
使用された割りばしを傍らに並べてあと
すっと食膳ごと腕を伸ばして前に押しやり
勘定を支払って出ていかれました

しかしその丼には
約3分の1ほどの
白濁した汁が残されていました

私はその上に
ゆっくりとたゆとう刻まれたネギの緑を見ながら
(法悦)と(完食)はまた何の関係も無い
と云う当たり前のコトに気づき
しかし自身は
(法悦)の声を絞めコロしながら汁まで全部すすり
鼻水を垂らしながら店を後にしたのでした

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