ぎるてぃ

L-00

2008年10月22日 23:57


お元気かしら・・・?


こんばんわ!変質者です

先日ですネ
知らない外人が遠くから私に手を振ってるなーと思って
近寄ってみたら本当に知らない外人でした
きっとどこかのハンサムボーイと
人違いをしてたのかもしれませんネ

さて
昨今は株式市場が荒れていたり
心痛ましい殺人事件が起こったり
自暴自棄な犯罪が後を絶たなかったりと
全く持って未来に希望を持ちにくい世の中ですネ

そんでもって来年のいつかには
裁判員制度も導入されるみたいで
私の周りでは
(裁判員に選ばれたらどうしよう?)
(自分に人を裁くコトが出来るか知らん?)

戦々恐々としている方々が殆どです

しかし
前世が大岡越前じゃないかと思える私自身に関すれば
ノー問題
カモン裁判員!ウェルカム・トゥ・ザ・裁判員!
と云う気分でございます

19歳の頃
東京で1DKのマンションと名のつくアパートに
マサル君(仮名)とアツシ君(仮名)と私の
計三名で暮らしておりました

マサル君(仮名)は堅実な人間で
お酒も煙草もやらず(19歳だから当然と云えば当然)
それどころかテレビの横に
自分専用の貯金箱を置いて
帰宅する度に
財布のコインをその貯金箱に移して
いつか満杯になる日を楽しみにしていました

アツシ君(仮名)は
私が今まで会った人間の中で一番アホで
アツシ君(仮名)がアホだから
アホ友達のイサオ君(仮名)やマサヤ君(仮名)と云ったアホが
ウチには頻繁に出入りしていました

そんなアホたちですから
目の前に置かれたマサル君(仮名)の
貯金箱の中身の所有権が
誰にあるかを全然判断出来ず
マサル君(仮名)が留守の時を見計らっては
貯金箱を逆さにして口を広げ
500円玉ばかりを選んで抜き取り
逆に手持ちの1円玉や5円玉を戻し入れ
重量的にはあまり変化させずにおいて
その日のお酒代や煙草代へと流通させていました

マサル君(仮名)は
そんな貯金箱の中身の変化には全然気付かず
せっせと財布の小銭を貯金箱に移し続けていました

ある朝事件は起きました

当時電話工事を生業としていた
マサル君(仮名)とアツシ君(仮名)は
朝一番で電車に乗って現場に行こうとしましたが
両名とも現金の持ち合わせがなく
かと云って
まだ銀行のATMも開く前の午前7時頃でしたので
電車賃を借りようと
まだ眠っている私を起こしてきました

しかしその日に限って私も現金の持ち合わせがなく
その旨を伝えるとマサル君(仮名)が

「え~い最後の手段!」

と云ったかと思うと
大切にしていた貯金箱を逆さにし始めました

アツシ君(仮名)はアホですが
父親のアツオさん(仮名)は
校長先生を務めたほどの名士なので
アホなりにまずいと思ったのでしょう

「せっかく貯めた貯金に手をつけるのは止めれ!」

と云いました
マサル君(仮名)はハテナ顔で返してきます

「じゃあ仕事どうやって行く?」

アツシ君(仮名)はもうただ苦笑い
マサル君(仮名)は
過去に何枚も入れたはずの500円玉を目標に
何度も貯金箱を逆さにして振ります
でも出てくるのは1円玉や5円玉ばかり・・・

最後の一枚であるコインも
床に転がしてみれば5円玉

マサル君(仮名)はそれを見た瞬間ただ一言

「無い・・・」

と云いました

私は後にも先にも
コレほどまでに思いが込められた
「無い・・・」
と云うセリフを
聞いたコトがありません

で結局二人は
ATMが開く時間まで家で過ごし
金をおろしてから遅刻出勤して行きました

そばで見ていて
非常に可笑しい出来事だったのですが
マサル君(仮名)は当然怒り心頭
早速その晩
主犯及び共犯だと思われる
アツシ君(仮名)をはじめ
イサオ君(仮名)、マサヤ君(仮名)に召集がかけられました

マサル君(仮名)の説教が始まります

(人のモノを盗むのは悪いコトだ)だの
(道徳に反している)だの
(何で自分の金を使わない)だの

怒られている
アツシ君(仮名)やイサオ君(仮名)やマサヤ君(仮名)も
アホなりに罪の大きさは解っているようで
流石にシュンとしています

しかし・・・マサル君(仮名)の説教は止まりません
皆が黙って聞いているのをいいコトに
永遠に続くかと思われる講釈をたれています

傍に居た私(ホントに無実)
何故かシビレを切らして被害者のマサル君(仮名)に聞きました

おい!マサル(仮名)
お前こんなトコに現金置いといて
本当にコイツらが盗まないと思ったのか?



マサル君(仮名)はこの問いに明らかにひるみました
その気色ばんだ表情をアツシ君(仮名)が見逃すはずもなく

だーるだーる!
俺たちが盗まない訳ないさー!


公然たる開き直り

その後はイサオ君(仮名)もマサヤ君(仮名)も異口同音

最後は誰が説教をして
誰が説教をされているのか
全然判らなくなりました

混乱した状況の中
多数意見と云う根拠の無い波に
完全に押された元被害者のマサル君(仮名)は
拗ねて部屋を出て行こうとしました

いたずら心の沸いた私は
無言で出て行こうとするマサル君(仮名)を捕まえて云いました

「皆んな忙しいのにお前の命令で集まったんだよ!何か云うコトは?」

マサル君(仮名)は
何だか状況が飲み込めないような表情で
うつむいたまま小声で一言

「スイマセンでした・・・」

と云って出て行きました



・・・・・・・



さて
一番悪いのは誰なんでしょう?

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