印度旅行記-14(終)

L-00

2007年08月09日 22:55


屈託の無いストリート・チルドレン

インドの街中では実に様々な人と行き交う
その中には身体に障害を持った人もたくさんいた

指の無い人
目の不自由な人
地面に手をついて四つん這いでしか歩けない人
下半身が無くスケート・ボードに乗って移動する人
etc・・・

そして彼らは僕らのような観光客を見つけると
近寄って来て手を差し出す
そしてその手を口に持っていく仕草を繰り返す

つまり

「何か食べたい!」

と必死にアピールするのだ

僕はインドに来た当初
この状況がとても辛かった

当時は学生の身分だし
人に金をあげるほどの余裕は無い
(それは今も同じだが・・・)

しかし
そんな僕でも
彼らから見れば

(大金持ち)

になるのだ

差しのべられた手を見ながら
あせりや不安
苛立ちや何かの感情が凝縮して
何だか申し訳ない気分で一杯になった

しかし
何もしてあげる事は出来なかったし
敢えて変な親切心を出さないように努めた

彼らの全てに
与え尽くせるような余裕はモチロンないし
なにより旅の後半ではだんだんと
彼らが元気に生きていると感じられてきたから

確かに本当に苦しんでいるような人も
たくさんいただろう

でもほとんどは

(人に物を乞う)

と云うその行為が
まるで職業であるかのように
元気よく
そして明るかった

その事に
何だか救われた気がした



この国にはなぜこんなにも人が多いのか?
この国の人はなぜ身分・階級の存在を黙認し続けるのか?
大金持ちの豪邸の近くには
風が吹けば倒れそうな小屋が並ぶ

そしてもっとも驚愕したのは
人々が「死」を恐れている感じがしない
と云う事

誰がそうと言った訳では無いのだが
「死」が「生」とグラデーションを帯びて繋がっている
そんな印象を与える国
そんな印象を与える人々



その中で
僕の頭はますます混乱する



もしも完全に
インドからカースト制度が無くなったら?
もし彼らが
もっと純粋に
就きたい仕事に就いたり
ビジネス・チャンスを与えられたりしたら?
国力は
もの凄いものになるのではないか?
(国力って抽象的ですが・・・)

それだけ彼らには
活気があり
パワーがあった



もしこの旅行記を
読んで頂いた人の中に
インドの方
或いは
何らかの形でインドに関係している方
或いは
それ以外でも
不愉快な事を書いている

感じた方が
いるかもしれません

その事は素直に謝ります
スイマセン

しかし
あくまでここに書いた事は
僕が歩いて感じた
僕の主観であり
インドの国情を
忠実に伝えているつもりでは無い
と云う事はご理解下さい

なにより僕自身
インドと云う国に強烈に魅せられたのは
事実です

生きている間に
もう一回行ってみたいと
全然懲りずに思っているのですから(笑)

(終)

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