印度旅行記-9
こちらゼンジー北京の師匠(嘘)
僕たちのタクシーによる旅行は続いていた
車窓は荒涼とした大地と人が住む集落とを
繰り返し映し出す
何番目かの集落に来た時
僕は果物売り屋を見つけた
それを目にすると
何だか急にミカンが食べたくなって
車を止めてもらった
そこはいわゆる「観光地」と呼ばれる所ではなかった
だから外国人である僕らが珍しいらしく
車から降りると周りの視線は全て僕らに集中した
(何だ?何だ?)
みんながそんな表情をしているが
観光客慣れしてない分
寄ってくる物売りはいない
果物売り店が道端に並んでいたので
とりあえず一番端の店でミカン一袋の値段を聞いた
すると売り子はしばらく考え込んで
なかなか値段を言おうとしない
僕はその売り子の気持ちが何となく判った
僕らを値踏みしているのだ
(これは観光客というやつだ!
街に行った事のある人の話では
やたらと金を持っているらしいから
値段をふっかけてやろう
・・・で
一体いくらなら出すんだろう?)
と云った具合に
考えに考えて売り子が言った値段は
両手を全部広げた10ルピー(当時約40円)
旅も中盤に差し掛かり
何となく身についてきた金銭感覚から考えれば
それは法外な値段だった
第一すぐに値段を言わない時点で既にあやしい
僕が
「あっそう?
じゃ隣で買うからイイヤ
バイバ~イ!」
と云った態度を取ると
売り子は僕を呼びとめて
急に値段を
5分の1の
2ルピーに下げてきた(笑)
それでも僕の身に付いた金銭感覚が許さず
もっと下げろと交渉した
結局値段は1ルピーで落ち着いた
それだと最初は10倍の値をふっかけていた事になる・・・
が
ここの売り子は明らかに素人!
インドに滞在して10日を超えていた
僕の目をだます事は出来なかった
・・・と
思いたい
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